  | 
      光一 
       
      「ふぁ………… 
       
      おはよう、綾香君」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「……………………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「あれ? 
       
      どうしたかね?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「どうしたもこーしたもないですよぉ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ん? 
       
      何かあったのかね? 
       
      あ、今日から生理かね? 
       
      ナプキン忘れちゃった?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「…………マスター♪」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「…………はい」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「そこに正座しなさい♪」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「了解しました」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「更新する更新すると言いながら、 
       
      結局3週間以上も開いたじゃないですかぁ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「あー………… 
       
      いつの間にかそんなに経っていたな」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「5月最初の更新なのに、 
       
      その5月自体がそろそろ終わりですよぉ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ちょうど1年前の5月と6月も 
       
      このくらいの更新頻度だったねえ……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「まったく………… 
       
      1年前と同じことを繰り返すなんて…… 
       
      マスター、学習してください!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「……………………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「どうしましたー? 
       
      返事はー? 
       
      返事はYesかYaの二択ですよ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「いや…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「はい? なんですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「君に『学習しろ』なんて言われると、 
       
      ものすごい屈辱だわ…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「むかぁぁぁぁ!! 
       
      どういう意味ですかぁ!!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「いや、そのままの意味だけど…… 
       
      20歳をとうに過ぎて、 
       
      『むかぁぁぁぁ!!』 
       
      なんて口に出せる辺りは 
       
      ある意味で尊敬しているよ?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「もぉぉぉぅうう!! 
       
      人の話をちゃんと真摯に聞いてください!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「聞いてはいるけどさあ……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「なんですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「いや、私だって毎週更新したいんだけど、 
       
      新しい職場に移ったばかりで 
       
      仕事から帰ると疲れちゃって…… 
       
      PC立ち上げないで寝ちゃうんだよね」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「そのための土日じゃないですかぁ!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「いやぁ、まあそうなんだけどさ。 
       
      昨年も環境が変わったばかりの 
       
      5〜6月の更新頻度が低かったから、 
       
      夏までにはきっと改善している!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「さっさと改善するですよぉ!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「分かってるアルよォ!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「……………………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「分かりました」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ところでぇ…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「なにかね?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「モテる男に生まれ変わるゲーム 
       
      って………… 
       
      なんというか…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「いや、これはある意味すごいだろ? 
       
      『恋愛シュミレーションゲーム』ならさ、 
       
      ゲームの中だけって割り切ってやるけど、 
       
      このゲームのコンセプトはさ 
       
      『ゲーム中で女にモテるようになり 
       
      現実でもそれを実践しよう』 
       
      ってものだよ!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「いやぁ………… 
       
      女の子の立場から言わせていただければ、 
       
      『ゲームの恋愛と現実は別』ですよぉ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「別に女性視点から言われなくても、 
       
      男の側だってそれぐらい分かるって!! 
       
      だから、『恋愛ゲーム』は割り切っていたし、 
       
      実際に恋愛ゲームみたいに、 
       
      12人同時交際なんて、まず………… 
       
      どうやればできるんですか?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「それって……単なる間男……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「晩飯に宿で会ったばかりの女の子と、 
       
      その日の晩のウチにどうやって 
       
      エッチにまでこぎつけるんですか?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「…………さあ…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「だからさ、 
       
      ゲームの経験値を現実の経験値に 
       
      そのまま振り分けるのは………… 
       
      ムリだって………… 
       
      悲しいけど、これって現実なのよね」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「しかし問題は………… 
       
      この『モテる男になるためのゲーム』 
       
      レジに持って行くのは一種の拷問」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「持って行く時点で、 
       
      『選手宣誓!!』 
       
      『自分は非モテです』 
       
      『だから……モテたいです』 
       
      って宣言するのと同義だしな……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「でもぉ、私の方から言いますとぉ、 
       
      エッチ本とかエッチなDVDや、 
       
      恋愛シュミレーションゲーム各種を 
       
      レジに持って行くのも、 
       
      充分に恥ずかしくて 
       
      拷問に思えるんですけどぉ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「えー…………そうか? 
       
      だって、エッチ関連商品はさ、 
       
      男なら別に普通に見たり使うし……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「そんな生々しい話はいいです……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ともあれ、 
       
      イケメンでも、そうでなくても多分買うぞ」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「うーん………… 
       
      仮想現実の異性や絶対に手を出せない異性と 
       
      擬似的なセックスをする時点で、 
       
      『モテ男になるゲーム』とレベルは同じ気が……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「そうか?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ただ単に気の持ちようで 
       
      『これは平気だけど、こっちはムリ』 
       
      って思い込むからっていう違いだけじゃ…… 
       
      気の持ち方次第で、 
       
      『モテる男になるゲーム』も 
       
      エッチ関連商品買うのと同レベルで 
       
      購入可能なんじゃないですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「うーん………… 
       
      気の持ちようか? うーん……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「そうそう。 
       
      気の持ちようですよぉ!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「なんとなく納得できんがなあ」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「というわけで、マスター!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「何かね?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「疲れた疲れないも気の持ちよう♪ 
       
      ここでバーンと、 
       
      『来週から毎週2回のペースで更新』 
       
      と宣言して、気の持ち方を…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「あ、コラ!! 
       
      逃げるなぁぁぁ!!」 |