  | 
      鳴島 
       
      「いやぁ………… 
       
      初めて見ました」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「私もこの市に住んで 
       
      もう25年経つけど………… 
       
      まさか観光協会のパンフが……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「まあ………… 
       
      地域の市区町村紹介って、 
       
      結構微妙なことしていますからねえ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「それにしたって………… 
       
      『ヤングの集まる』 
       
      『アダルトなショッピング』 
       
      『個性的でユニークなショップ』 
       
      80年代のセンスというか、 
       
      もしくは、 
       
      長嶋茂雄元巨人軍監督というか、 
       
      そのセンスだな、これは……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「『個性的でユニークなショップ』 
       
      とか、 
       
      『アダルトなショッピング』 
       
      は、長嶋茂雄さんっぽいですね」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「しかしねえ…… 
       
      市の顔である観光パンフが…… 
       
      ちょっとこれでは……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「宣伝文句も、 
       
      考え物ですよねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「まあ、地域のセンスの微妙さは、 
       
      どうしようもないが…… 
       
      その微妙なセンスでも、 
       
      青森県のようなセンスがあれば……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「青森県?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「知らない? 
       
      県立戦隊アオモレンジャー」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「なんですか、それ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「えっとね、 
       
      青森県の県土防衛の戦隊モノ」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「……ますますわかりません」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「敵は、 
       
      日本の農林水産観光資源の支配を企む 
       
      悪の秘密結社『NOKIO』」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「悪の秘密結社『農協』?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「わーわーわー!! 
       
      違う違う!! 
       
      『NOKIO』だって!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「だから、のうky…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「そこは『大人の事情なの』!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ま、いっか。 
       
      で、それってどういうものなんですか?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「青森県以外の地域の 
       
      『NOKIO』からの 
       
      主に、『農産物』を武器にした怪人を 
       
      撃退していく、 
       
      青森の農産物を他県から守る戦隊モノ」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「え!?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「例えば、 
       
      『NOKIO山形支部』は、 
       
      青森のリンゴ運送トラックを襲い、 
       
      青森のフルーツ産業を壊滅させ、 
       
      山形のさくらんぼを日本一にしようと企んでる」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「荒唐無稽な戦隊モノですねぇ……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ちなみに、 
       
      岩手県『NOKIO』からの攻撃は、 
       
      『わんこそば男』による、 
       
      大量のわんこそばを食べさせて、 
       
      相手を重体にさせるもの。 
       
      この回で『アオモレンジャー』は、 
       
      『ワールドカップバズーカ2002』 
       
      『整備新幹線バズーカ』 
       
      を使うんだけど…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「使うんだけど?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「『ワールドカップバズーカ2002』は、 
       
      招致失敗したワールドカップのごとく、 
       
      外れて遠く彼方に飛んで行ってしまう。 
       
      『整備新幹線バズーカ』は、 
       
      県民の期待もむなしく 
       
      めどが立たない現実のごとく、 
       
      今度は敵に届かない」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「変なトコにリアリティがありますねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ちなみに、全7話。 
       
      最後の敵は、 
       
      北海道の特産品をばらまいて、 
       
      青森県民を『北海道びいき』にした、 
       
      『ホッカイレンジャー』」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「なんだか………… 
       
      そこまで「アレ」だと 
       
      かえって見てみたいですねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「紹介ページはまだ残っているから、 
       
      見てみるといい。 
       
      『県立戦隊アオモレンジャー』」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「うわ、これは…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ここまで、 
       
      地域に特化した宣伝『戦隊』だと、 
       
      かえって気持ちが良くないかね?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「確かに…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「私の住んでいる地域の、 
       
      観光協会とかにも、 
       
      この青森の宣伝の素晴らしさを、 
       
      ぜひとも見習ってもらいたい!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ですねぇ…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ちなみに、ファーストシーズン7話で、 
       
      外伝とか含めると、 
       
      もっとある」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ホントだ!!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「あと、『アオモレンジャー』は、 
       
      5人組の戦隊で、それぞれ…… 
       
      リンゴレッド 
       
      イカブルー 
       
      ホタテピンク 
       
      イタコブラック 
       
      シャコイエロー」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「イタコ!?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「どれも青森名物だねえ…… 
       
      ちなみに、イタコブラックは、 
       
      恐山代表。最終回で、 
       
      『イタコ』の修行のために、 
       
      恐山に帰っちゃう…… 
       
      必殺技は『イタコ説教』 
       
      相手の両親の霊を呼び出して、 
       
      説教させる」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「はぁ…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ちなみに、 
       
      リンゴレッドの必殺技は、 
       
      『リンゴ十万発』で、 
       
      毎秒100個の驚異的速さで 
       
      リンゴを投げる」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「うわぁ…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ちなみに、 
       
      あちこちの県に『NOKIO』は存在するので、 
       
      あらゆる県の特産品が敵になってる。 
       
      茨城も、『納豆』が敵にされているし……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「まあ、 
       
      そこまでやると、 
       
      面白い宣伝ですよねぇ。 
       
      茨城県にもあれば良いのに」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「そうなんだよねぇ…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「そういえばぁ、 
       
      マスター。 
       
      このカフェの宣伝文句って 
       
      何でしたっけ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「え? 
       
      ここの?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「はい。 
       
      忘れちゃったんですけどぉ……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「えっと…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「えっと?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「…………………… 
       
      『失恋に似ているけど、失「変」。 
       
      アナタは私に変している。』」 
      (『WEB RANKING』への登録PR) | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「うわぁ………… 
       
      センス無いですねぇ……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「う、うるさいうるさい!!」 |