トラウマ・オン・ザ・バイセコー

大学二年生時


光一「ハイヨー、シルバー!!」




























チリンチリン










どうも、光一です。

今回は我が愛車「シルバー号」にまつわる話です。

正確には愛用自転車です。










というわけで、今回のテーマは、


『ぶっちぎりバイセコー!! トラウマとシルバー』


で行きましょう。










さて、

私は大学3年生になり車を手に入れるまでは、

愛用の自転車で大学やバイトへ向かっていました。










その頃、体力に満ち溢れていた私は、


『赤信号 勇気を出せば 怖くない』


をモットーに毎日目的地まで全力疾走していました。










勇気を出しても、

おまわりさんに見つかると怒られましたが……











が、

そんなことでめげる私ではありませんでした。

それこそ毎日のように交通法規を無視して、

愛車「シルバー」を駆っていたのです。






























周囲も確認せずに全力疾走……



















ある日……

















ある日それは唐突におきました。










まさに急転直下……

周囲を確認せずに全力疾走する青年的衝動が、

この私を恐怖のドン底に……

現在もトラウマと化している事件に巻き込んだのです。


















その日は、

初夏の陽気でありまして、

やや汗ばむけれども、夕方の風が気持ちいい日でした。









私が夕暮れの中、

地元の駅から家までの20分を疾走している最中でした。






























光一「うわ! うぷっ!!」










私は、


突如目の前に立ちはだかった物体に飛び込んでしまいました。










その物体……











いや、物体群は、

真っ黒い柱状のものでして、

少しずつですが移動していました。











そこを通過した私は……


















光一「うわうわ!! ひいひいぃぃぃ!!

うわううわうう!!」


とにかく混乱し、

両手で頭をかきむしるようにかき、

さらには服をバサバサとはたき、

足をはたきまくりました。


もう無我夢中で手を振り回しました。





























よーく服を見てみると……























































ユスリカです

ユスリカ……


コイツがびっしり服に付いていたんですよ……


ええ、

それは隙間のないくらいに……












髪の中に大量のユスリカ……


白いシャツを真っ黒に染め上げるほどのユスリカ……


ジーンズから靴にまでびっしりと……


挙句、

自転車のかごに入れておいたカバンまでびっしりとユスリカが……


















この日、

市内でユスリカが大量発生していまして、

私は全力疾走でその中に突っ込んで行ったんですね……


















よく、

道端に


蚊柱


ってあるじゃないですか。

あれのめっさ巨大なのが市内各所にできていたのです……


















その直前に友達から、


友達「そういえばさ、蚊柱ってあるじゃん」


光一「ああ、あの突っ込むとまとわり付かれて気持ち悪いのな」


友達「あそこにたくさんいる虫ってさあ、

たまに耳の中に入ってくるよなあ」


光一「ああ、くすぐったいのと、虫が入ってきた嫌悪感があるわな」


友達「オレ、あれのこと……

耳に入ってくるから小さい頃から


脳みそ食い食い


って呼んでるんだよ」


光一「は?」


友達「いや、アイツら耳から入ってきて、

人間の脳みそ食い散らかしていくんだと思ってたんだ」


光一「バカかお前」










と、このようなしょうもない話をしていて、

そのときは「脳みそ食い食い」という面白い言葉を聞いただけでしたが……


















全身にユスリカが……


その話の直後に、

コイツらの大群の中に突っ込んで、

全身くまなくびっしりと張り付かれたので……


まったく冗談にもなりませんでした……










この事件は、

以来私の中でトラウマになっており、

今でも怖くて


蚊柱


に注意しながら道を歩いております……










若さに身を任せて、

全力で疾走することへの教訓として位置づけられていいかもしれません。

みなさん、周囲はよく確認してから疾走しましょう。


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