|  | 鳴島 
 「マスター、
 
 おはようございますぅ」
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      |  | 光一 
 「うむ。おはよう」
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      |  | 鳴島 
 「マスター、マスター」
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      |  | 光一 
 「何かね?」
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      |  | 鳴島 
 「マスターの部屋にある
 
 ぬいぐるみ達くださいな」
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      |  | 光一 
 「なに?
 
 はんなり豆腐の事言ってるの?」
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      |  | 鳴島 
 「そうそう♪」
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      |  | 光一 
 「ヤダ!!」
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      |  | 鳴島 
 「即答!?」
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      |  | 光一 
 「何で私が数年かけて
 
 こつこつ集めてきたのに、
 
 君にやらねばならんのだ」
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      |  | 鳴島 
 「えー、全部とは言いませんし、
 
 一体くらいいいじゃないですかぁ。
 
 どうせ沢山いるんだしぃ」
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      |  | 光一 
 「一体たりとてやらん!
 
 ぬいぐるみ達は生きているんだよ?
 
 仲間から一体とて離せるわけがない。
 
 そんな事したら可哀想だろ!」
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      |  | 鳴島 
 「ドケチー!」
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      |  | 光一 
 「ケチではない!
 
 ぬいぐるみたちは、
 
 私の部屋にいるのが良いと
 
 いつも私に話しかけているの!」
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      |  | 鳴島 
 「うわぁ……キツ!」
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      |  | 光一 
 「何が!?」
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      |  | 鳴島 
 「マスター…………
 
 三十路も手前の男がですよぉ、
 
 『ぬいぐるみと話している』
 
 って……キツイですよぉ……」
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      |  | 光一 
 「何を言うかね!!
 
 私の部屋にいる
 
 100体を超えるぬいぐるみたち……
 
 彼らに癒されることで、
 
 私は社会の荒波を生き抜いているのだぞ」
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      |  | 鳴島 
 「三十路手前の男が…………
 
 部屋に100体以上のヌイグルミ
 
 しかもそれに毎日話しかけていて、
 
 癒されているって…………
 
 会社の先輩じゃなくても引きますねぇ」
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      |  | 光一 
 「女性がヌイグルミ集めるのはよくて、
 
 男がしちゃいけないなんて
 
 誰も決めてないだろ!!」
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      |  | 鳴島 
 「そりゃそうですけどぉ……」
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      |  | 光一 
 「そういう偏見こそが、
 
 社会差別の源泉なのだ!
 
 よって、私は何と言われようとも、
 
 ぬいぐるみを集め続ける!」
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      |  | 鳴島 
 「それでも正直言うと……
 
 マスター、キモイです!」
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      |  | 光一 
 「キモクないわい!!」
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      |  | 鳴島 
 「え〜…………」
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      |  | 光一 
 「例えばだよ。
 
 戦国武将だって、
 
 花や自然の情景を愛でていたし、
 
 テディベアだってね、
 
 アメリカ大統領T・ローズベルトが起源だよ?
 
 ほら、男でも可愛いもの愛でる。
 
 これ、自然。オカシクないアルヨ」
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      |  | 鳴島 
 「そうかなぁ…………」
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      |  | 光一 
 「そうそう。男だって可愛いものスキ。
 
 ほら、女の子を可愛がるのと
 
 気持ち的には同じことだよ」
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      |  | 鳴島 
 「違うような気も…………」
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      |  | 光一 
 「同じだって!!
 
 可愛い女の子を見て、それを愛でたり…………
 
 写真集を買って、可愛い女の子を愛でたり……
 
 結局可愛いものを愛でている。
 
 その点ではヌイグルミだろうと何だろうと、
 
 可愛いものスキな事では一致している」
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      |  | 鳴島 
 「うーん」
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      |  | 光一 
 「結局男も女もない。
 
 可愛いものはみんな好きなのだよ。
 
 だから、私の行動も極めて普通」
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      |  | 鳴島 
 「でもぉ…………」
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      |  | 光一 
 「何かね?」
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      |  | 鳴島 
 「100体を超えるヌイグルミを集め、
 
 なおかつ話しかけているのは……
 
 男女問わず、行き過ぎと言うか……
 
 危ないと思いますけどぉ?」
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      |  | 光一 
 「何を言うかね!!
 
 行き過ぎなんて事があるかね!
 
 別に誰にも迷惑はかけてないのだぞ」
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      |  | 鳴島 
 「そりゃ、そうですけどぉ」
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      |  | 光一 
 「そりゃあ癒しという意味ではね、
 
 ヌイグルミよりも、女の子の方がよいよ」
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      |  | 鳴島 
 「それはマスターが
 
 単に好色だからでしょ……」
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      |  | 光一 
 「あー…………
 
 私がアラブの大富豪か何かだったら、
 
 毎日側室をとっかえひっかえ……
 
 毎日違う女性を抱けるんだよねえ。
 
 確かに、こっちの方が癒されるよなー」
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      |  | 鳴島 
 「……………………」
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      |  | 光一 
 「綾香君なんかはその点、
 
 私の彼女と違って、
 
 おっぱい大きいし…………
 
 最高の癒しアイテム持ってるじゃん!」
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      |  | 鳴島 
 「はえ!?」
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      |  | 光一 
 「そ、そ、そ、そ…………
 
 そのいやらしオッパイを揉ませろー!」
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      |  | 鳴島 
 「みぎゃぁぁぁぁ!!」
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      | 
 
 
 
 悪!
 
 
 
 
 
 即!
 
 
 
 
 
 
  
 斬!!
 
 
 
 
 
 
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      |  | 鳴島 
 「あれぇ?
 
 マスターどこ行っちゃったんですかぁ?
 
 あれれぇ?
 
 床一面ケチャップが広がってるなぁ♪
 
 ちゃーんと、床を張り替えないと♪」
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      |  | 鳴島 
 「と、今回。私宛に2通プレゼント♪
 
 白髭狂信者さんと、昆酢さん。
 
 ありがとうございましたぁ!!」
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      |  | 鳴島 
 「こちら、昆酢さんのプレゼント!
 
 私の髪の毛が綺麗ですねぇ」
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      |  | 鳴島 
 「白髭狂信者さんのプレゼントはマンガ!
 
 あ、私のポニーテールは
 
 ちゃんと地毛ですからねぇ♪」
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