  | 
      鳴島 
       
      「と、私の日記の前に宣伝を…… 
       
      マスターの日記で、 
       
      『全国面白看板選手権』:Aブロック』 
       
      の投票受け付けています♪ 
       
      どうかよろしくですぅ〜!!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「よろしくお願いします」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「と、宣伝終わり♪」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「そうそう。話は変わるけど、 
       
      実は先日、 
       
      先輩の結婚式の二次会に 
       
      行ってきたのだ」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「へぇ、結婚式!!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「うむ。 
       
      かつてのサークルの先輩など、 
       
      全国各地から、 
       
      様々な職業の人々が集まったのだが……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「だが、何ですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「2次会ってのは、 
       
      結婚式と違って、 
       
      招待したりしないから、 
       
      そこに参加義務はないわけだろ?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「まあ、そうですねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「で、全国各地から、 
       
      色んな人がわざわざ仕事休んだり、 
       
      都合をつけて来る…… 
       
      それを見ると、 
       
      先輩がいかに人望厚いか、 
       
      よく分かるものでねえ」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「何かあったときに、 
       
      どれだけの人が来てくれるかで、 
       
      確かにその人の人望が分かりますねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「それを見て、私も思うのだよ。 
       
      私の場合には、 
       
      どのくらいの人が来るだろう……とか」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「つまりぃ、 
       
      マスターは 
       
      自分がどのくらい人望あるのかなぁ? 
       
      と思っているわけですかぁ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「まあ、ふとそう考えてしまったね」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「まあ………… 
       
      人望って普段目に見えるものではないですしぃ、 
       
      自分自身が意識しているものでもないですから、 
       
      確かに気にはなるかもですねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「普段人に何やかやと言われても、 
       
      実際にどう思われているかなんて、 
       
      本人には分からないからねえ」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「自分には分からない、 
       
      他人からの自分への評価ですかぁ…… 
       
      でも、それって重要ですからねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「結局人望などの評価なんて、 
       
      主観的なものだから、 
       
      この人が良い悪いは、 
       
      人それぞれだからねえ。 
       
      でも、付き合いや仕事の上で重要だし」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「まあ、人によっては、 
       
      『あの人は誠実で真面目』が、 
       
      『あの人は堅くて融通がきかない』 
       
      とか………… 
       
      マイナスプラスが入れ替わりますからねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「だから、人望だって千差万別だし、 
       
      自分がどうあるべきか…… 
       
      ってやっぱり難しい」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「う〜ん…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「それでもやはり、 
       
      今回結婚した先輩みたいに、 
       
      周囲の人からとにかく良いと思われる人もいる。 
       
      私も、先輩が掛け値なしに良い人だと思う」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「人望を集めそうなタイプの方…… 
       
      ってやっぱりいますよねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「うむ。 
       
      だから私も先輩の事はスゴイと思う。 
       
      でもやはり問題は、自分自身がどうあるか…… 
       
      この点だなあ」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「そうですねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「結局、先輩と私は違う人間だし、 
       
      それは他の人も同じだ。 
       
      人それぞれ性質………… 
       
      声から容姿、好みや思考様式は違う」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「まあ、だから結局は、 
       
      自分は自分だ……と」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「そうだねえ。 
       
      ただ、やはりそれでも、 
       
      人望を集められるような人ではありたいね。 
       
      『私は話すのが苦手』とか、 
       
      『容姿にコンプレックスがある』 
       
      というのは、各人の悩みだが、 
       
      それを自分の評価を下げる要素…… 
       
      と思って、自己を高める努力をしない。 
       
      これが問題だろう」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「それはマスター自身の?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「そうとも言えるし、私だけでないとも言える。 
       
      私だってコンプレックスの一つや二つはあるし、 
       
      欠点は多いよ。 
       
      ただ、それで変に卑屈になったり、 
       
      他人に嫌われるような行動をとることは、 
       
      また別次元の話だろう……ということかな」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「まあ、アレですねぇ。 
       
      他人からの評価なんて、 
       
      結局主観的なものですが…… 
       
      それを「どうせ人にはわからない」 
       
      で通したり、自分の殻に籠もるのは、 
       
      結局自分のためにならない…… 
       
      ってことでしょうねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「やっぱり人から人望を集める人は、 
       
      自分を高めることをしている…… 
       
      とだけは言えることだねえ」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「確かにそうかも……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「人に嫌われる行為をする人は、 
       
      すでにアウトかもしれない…… 
       
      ただ、コンプレックスが強いあまりに、 
       
      一つの欠点から、 
       
      自分の全てをダメだと決め込んで、 
       
      それで結局全て拒絶するような、 
       
      そんな態度もマズイだろう」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「う〜ん………… 
       
      あっ!!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「どうしたかね?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「そういえばぁ……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ん?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「こんなまともな話題が出たの、 
       
      この日記始まって以来始めてかもです」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「…………………… 
       
      何が言いたいのかね?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「いやぁ………… 
       
      マスターでも悩みってあるのかなぁ? 
       
      って…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「し、失敬な!! 
       
      私だって一人の人間だぞ? 
       
      悩みぐらいあるに決まっているだろ!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「悩みがある!?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「疑問系になるな! 
       
      普段私をどう見ているのかね!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「んー…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「……………………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「セクハラ好きの変な人♪」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ししし、失礼な!! 
       
      撤回したまえ!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ほらほらぁ…… 
       
      『他人の評価』に 
       
      きっちり立ち向かって、 
       
      自己を高めないと、 
       
      人望を集めるような人になれないですよぉ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「こういうのは、 
       
      『誹謗中傷』と言うのだ!! 
       
      その歪曲された評価は、 
       
      改める必要があるぞ!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ふう………… 
       
      正当な評価を、誹謗中傷とは…… 
       
      マスターの自己向上は、 
       
      まだまだ先のようですねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「どこが正当なのかね!! 
       
      撤回したまえ!! 
       
      でないと………… 
       
      君の給料は減給だ!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「にゃっ!! 
       
      それこそ横暴ですよ、自己中ですよ! 
       
      経営者の強みで、 
       
      人の評価を変えさせようなんて、 
       
      ヒキョーですよう!!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「うるさいうるさい!! 
       
      評価を変えなければ減給だ!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ヒドイヒドイ!! 
       
      マスターの自己中!! 
       
      バーカバーカ!!」 |