聖☆おにいさん(セイント・おにいさん) 聖☆おにいさん(セイント☆おにいさん)

作者:中村光

モーニングKC

講談社

現在4巻
(最聖コンビ!!)
ブッダ(ガウタマ・シッダールタ)(1巻〜)
イエス(1巻〜)
<追加情報:2010年2/19>
・コミック紹介更新が停滞していたこの1年余りの間…………
 聖☆おにいさんは3巻と4巻が発売されていました!!
・なお、2010年4月には5巻の発売が予定されています♪


 キリスト教の開祖イエス、仏教の開祖ブッダが繰り広げる、東京立川のボロアパートでの下界暮らし。
 イエスは変わらずブログ更新と衝動買い…………
 ブッダは変わらず主婦のような節約生活と、天界の雑誌に掲載しているマンガの締め切りに追われる日々


 【3巻】
 そんな2人が、商店街の福引で伊豆旅行のあたりを引きました!!
 普段旅行などするお金のない2人が、伊豆旅行で大いに浮かれておりました。
 弘法大師のマネをしたら温泉が出るんじゃないのと、携帯のアンテナでイエスが道路をつつけば……



 
 「ファンタだ…天然のファンタが湧いたぞー!!」


 ファンタに天然ってあるの!?




 
 ブッダ「ファンタも君の血にカウントされるのかい……?」

 イエス「私の赤血球はぶどう味ならなんでもいいのだろうか……」


 イエスが公認されたので、クリスマスはファンタ(ぶどう味)でお祝いしても良いかもしれません♪
 相変わらず、意図せずに奇跡を起こし続ける聖人2人。



 また、旅館ではハイテンションで豪華なごちそうを食べていたのですが……
 イエスはわさびの食べ方を知らず……すり下ろさずに……そのままガブリ……
 あまりの辛さに悶絶したイエス……茨の冠のヒモを引っ張ると警報が鳴り響いて……





 
 ウリエル「呪われろ悪魔の実め……わさびの木はもう永遠に実は結ばぬよう!!!」

 イエス「ブザーを鳴らして5秒でウリエル…」

 ブッダ「起きてイエス。君のセコム超怖い!!!


 危うく、永遠にわさびが実を結ばなくなるところでした……
 
本当にこのセコムは怖い!!




 【4巻】
 ブッダは天界の雑誌にマンガを掲載しており、そのマンガが大ブレークしているそうです。
 
……天界の天使などの間でですけど…………


 締め切りが修羅場を迎えたブッダ……アシスタントがいれば助かるのに。
 見かねたイエスが携帯で、アシスタントを紹介してくれるとのこと。
 イエスが紹介してくれる、絵が上手なアシスタントとは…………





 
 イエス「ダ・ヴィンチさんと、ラファエロさんだったらどっちがいい?」


 ちょ……アシスタントなんてレベルじゃない!!
 それ……歴史的な超偉人じゃないですか!!
 確かに……確かに2人とも宗教画で有名ですが……ですが……





 
 ブッダ「その人達には間違っても筆ペンとか持たせられないから…」


 絵の技量……人物うんぬんの前に…………
 
ダヴィンチさんに渡したら、1ページ描くのに下手すると30数年くらいかかりそうです。


 というか、どうやると天界に携帯がつながるのでしょうか?



 さて、今年私的に大ヒットした作品の一つが、中村光先生の作品群ですが……
 その中でも
『聖☆おにいさん』は大いにツボにはまった作品です。


 『聖☆おにいさん』(セイント・おにいさん)とは、2人の聖なるお兄さんが東京立川で繰り広げるほのぼのデイズなお話です。


 聖なるお兄さんって誰?




 
 目覚めた人 ブッダ

 神の子 イエス

 言わずと知れた仏教とキリスト教の祖である。


 そう……この「聖☆おにいさん」の主役とは、

 仏教の祖ブッダ、キリスト教の祖イエスなのです!!




 無事に世紀末も過ごせた2人は、東京都立川市でアパートをシェアし、有給休暇で楽しいバカンスを過ごしていたのです。

 天界からやってきた2人が、現代社会に違和感無く(?)溶け込んでいる様が、とても面白い。

 まるで主婦のように、節約に努めるブッダ。
 衝動買いをしてしまい、ブッダの怒りを買うこともある、イエス。
 Tシャツにシルクスクリーンで、様々な文字をプリントするのが趣味のブッダ。
 1日1万以上のアクセスを誇る、ブログ『いえっさのドラマンダラ』を更新するイエス。


 そんな2人の、面白おかしい“立川デイズ”を描いた作品です。




 
 イエス「ねぇ、80歳以上半額だって。私たちってシニアでいいの?」

 ブッダ「いや、そりゃあ超ド級のシニアだけど……ダメだと思うよ」


 イエスは2000歳を越えていますし、
 ブッダも2500歳超え……確かに超ド級のシニアです。


 というか、ブッダとイエスが仲良く遊園地を訪れている……




 

 ブッダ&イエス「聖人男性2枚で……


 チケット販売窓口のお姉さんに「成人男性」と言われて「聖人男性」と聞き間違える2人。




 そういえば、2人とも東京でバカンスはいいのですが、

 お金はどうしているんでしょうか?




 
 ブッダ「私、ちょっとお金おろしてくるから召されちゃダメだよ」

 イエス「お〜、そういえば今日給料日か……」


 有給万歳とか…………


 天界で頂いていた人々の笑顔、満たされた気持ち……

 日本円に換算すると2人で月26万円だそうです。

 口座を見ると『テンカイ』から振り込まれています……
 テンカイからどうやって振り込むのか分かりませんが、
 
円高のあおりをしっかり天界も受けるようです。


 おかげで2人とも、NHKの受信料徴収に居留守を使い、
 
大家さんからはニート疑惑までかけられて(昼も働いていないから)、
 月末には家賃の支払いを気にかけている、そんな毎日。





 
 イエス「ブッダ、こういうの得意?」

 ブッダ「いや、どうだろ…前は一つも取れなかったんだけど」


 クレーンゲームに興じる2人。
 ブッダは天界で以前に経験済みだそうです。





 
 ブッダ「あー、でも前と同じだ…他のもついてきちゃって……


 イエスの顔…………

 いや、クレーンに吊られてくる景品たちが怖い!!




 
 ブッダ「やはり一度地獄に落ちた者は

     仏には成り得ないのだろうか……

 イエス「君こそもっと気楽にゲームを遊びなよ!!


 なんでも苦行その他に考えを移してしまう癖のあるブッダ……
 元ネタは、芥川竜之介の「蜘蛛の糸」ですね。



 ブッダとイエスに絡む神話や伝説、文学ネタが毎回毎回、あちこちに盛り込まれます。
 なお、2人の着ているTシャツの文字は、ブッダが趣味でプリントしているのですが……
 イエスの場合『東方三博士』『ジーザス』『ばべる』など。
 ブッダの場合『ニルヴァーナ』『南無三』『バラモン』とか……
 2人に関係のある言葉がプリントされています。



 学校で世界史好きだった人などは、よりネタが分かって面白いですね。


 また、彼らはこうも主張します。




 
 ブッダ「なんで芸術科の皆さんってたいてい、

    私の一番太っていた状態を選ぶのかなあ!


 よくある仏像……奈良の大仏とか……
 ブッダ的には黒歴史だそうです。



 イエスもイエスで…………




 
 イエス「もっと生き生きと描いてほしいんだよねえ!

 ブッダ「あぁ、君たまに血が出てたりするものねえ




 
 イエス「おわん片手に『おかわり!』とかどうかな

 ブッダ「おわんが意味深すぎて論争になるよ!


 確かに……イエスがおわん片手に「おかわり!」なんて言っているイコンが出ていたら……
 中世世界から現代まで、大きな論争になっていたでしょうねえ……

 高校世界史でも、イエスがおわんを片手に「おかわり!」って言っている資料が掲載されて……




 神様2人が繰り広げる、時にはまったり、時にはじんわり、時には奇跡まで起こしてしまうそんな“立川デイズ”を描いた「聖☆おにいさん」。オススメです!!

 これを読めば、世界史に興味がなかった人も……きっと興味がわくはず!!


 というか、このような作品……日本で無ければ発表すらできなかっただろうなあ。
 それと、ブッダとイエスがアパートをシェアしていますが……


 イスラーム教の祖ムハンマドが出てこないところが、すごく気になります……


 きっと買って損はしないコミックです。
 神格化されて堅いイメージのあるブッダとイエス。
 彼らの生の姿を見てみようではないですか!!


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